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カラスと机。

日々のつれづれと、見たものの感想。

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紙の月。


※めっちゃネタバレしますのでご注意!※

<あらすじ>
子供はいないものの、いたって平凡な主婦業を営む梅澤梨花(宮沢りえ)。
パートからフルタイムの勤務にシフトした銀行で働いており、職場からも顧客からも高評価を受けているが、夫はそんな妻の頑張りには無関心で、ささいなすれ違いが続いている。
ある日、得意先の家でちょっとしたトラブルになりかけたところを助けてくれた大学生の光太と不倫関係に陥ってしまう。
苦学生で学費に苦しむ光太を見かねて、梨花は顧客から預かったお金を横領し、光太に渡してしまう。
それが、この先続く地獄の横領スパイラルの始まりであった…。

いや~~~~~~~
いやぁ~~~~~~~~~~~~~~~~
ほんと、すごい映画だった…思ってたんと全然違うかった…すごい…すごいよ…
宮沢りえまじですごい!!!!!!
この人ってこんなに綺麗で、魅せる演技する人だったんですね…
世代的に私はバラエティに出てるのくらいしか見たことなくて、「おばさん」になってからの宮沢りえしか知らないんですが…
ほんと、ほんとに美しかった…透明感ハンパなかった…
このハンパない透明感で1億超えの横領をやってのけちゃうビューティーモンスターっぷりがもう
美と狂気と冷静と歪みが最高に良い感じに織り交ざってて
めちゃくちゃ良い映画だと感じました。

「このお金がもし自分のモノだったら…」なんていうすけべ心って、誰しも心に一度は浮かんでしまうことだと思うんです。
それを実行するかしないかっていうのは、その人の倫理観とか理性によるんだと思うんですが梨花は幼少期、通っていた学校の募金ボランティアにハマり、「与える喜び」を知ってしまう。
募金活動を維持するため、父親の財布から盗んだお金を募金し、シスター(カトリック系の学校なので)に糾弾されても何が悪いのかがわからない。
どういうお金でも、与えたら幸せだし、与えられた方も幸せでしょ…?
その体験が後の横領につながっていくわけですね。
また、その考えを助長するような悪魔の囁きをする同僚がおるわけですわ!
大島優子すげーね。結構舐めてたけど、良い演技だったと思います!
ちょうどいい感じの今時の若者。
脊髄反射で思った事を口にしちゃう。
その囁きを聞いてしまった梨花は、横領には止めがきかなっていく。

でも、あんまり苦悩してないっていうか…どんどん事態は最悪の方向に向かってるのにそうは見えないってのが、宮沢りえのすごいところです。
根底にある「どういうお金でも、与えたら幸せだし、与えられた方も幸せでしょ」の思いがあるからイマイチ悪事だと思いきれてないんですよね。
それを完璧に表現していました。

でも、もちろん罪はバレます。
当たり前にバレます。
そして、梨花を断罪する役どころの隅さんを演じてた小林聡美も最高に良かった!!!
いわゆる「お局」というポジションの隅は、何かと支店長に邪険にされ、移動という名目で退職を促されても揺るがずに、銀行員としてなすべきことを行うまっすぐな人間。
まっすぐ…というか、頑な、というか、頑固…というか…。
「こじらせたアラフォー」って感じの、他を寄せ付けない鉄壁の真面目さで、とっつきにくい人、という役どころ。
小林聡美って人当たりのいい人を演じる事が多かったと思うので結構衝撃でした!
こっわ!!!!こんなお局こっわ!!!!!!!って感じでしたwww
梨花は清楚でパッと人目を引く華やかなタイプなのですが、まさにそれの正反対。
その二人の最後の対峙が最高に良かった!!!!
巨額の横領が発覚し、もはや逃れられない状況になった梨花に、土地や家などの財産や頼れる親戚はいないのか、と諭す隅。
その隅に対して、劇中始めてぐらいのテンションの怒りをぶつける梨花。
「私のこと追い詰めて、今更なんで優しいことを言うの?」
そんな彼女に隅は、自由に奔放に行動した梨花を少し羨ましいと思ったことを語る。
「自分にはできないことを、あなたはやったんでしょ?だったら、あなたの方がすごいじゃない。」
梨花のやったことは、全てが紙の月のようなニセモノで、自由だと思ってたけど自由じゃなかったし、何も手に入らなかった。
「あなたが行けるのはここまで」と突きつけられ、梨花は窓を叩き割り逃走を図る。
ここもめっちゃ良かったです…。
二人は共に、徹夜をしたことがないくらいの生真面目。
梨花は光太との逢瀬で始めて徹夜をする。隅はまだ徹夜をしたことがない。
窓から逃げる寸前、梨花が隅に「一緒に来る?」と問いかける。
隅は行かずに留まり、梨花は全力疾走で逃げ去り、外国へ高飛びする。
この、同じ位置に立ってた二人が「あちら側」と「こちら側」に別れるっていう象徴的なシーンがすごくエモかったですね…さいこう…。
うまく言葉にできないな~~~もう!

小林聡美の演じた役は映画オリジナルキャラらしいですね。
原作未読なのでなんとも…ですが、超良改変だったんじゃないでしょうか。
大島優子の役も!
1回目に横領バレした時に支店長の不倫をネタにユスったのとか痛快でしたwww
自分はちゃっかり寿退社したところもしたたかでとても良い。

梨花の不倫相手である光太に関しては…
とりあえずヴィジュアルが全く好みじゃなかったので、なんであんな男が良いんだ…となってしまいましたwww
なれそめががっつりカットで割と出会ってすぐに即ハメだったのでなんか即堕ち2コマみたいでしたwwww
んでもねー
年下の男の子に頼られたり、おごってあげたりするのって楽しいもんねー
わかるわーーー…ってなってしまいましたwww
そう、私含め、この映画見た妙齢女子はきっと、この「他人事じゃない」感を感じたはずなんです。
だからきっと胸に響いた。
横領も不倫もいけないこととわかってるけど、ぐらついてしまう気持ち。
梨花は、不倫すらも「与える喜び」だったと思うので、なんか世間一般の不倫劇とはまた違う感じなんですけどね…。
しかしあんだけ貢いでもらったのに浮気して、梨花を捨てて大学の同級生とお付き合い始める光太よ…お前は来世、ミドリムシな(真顔)

あとラストシーンね!!!
ラストシーンもすごく良かったね!!!
タイに高飛びした梨花に施しを与えたのが、かつて自分が募金で助けたあの少年(成長して大きなおっさんになってたけど)だったってのが…もう…
えぐってくるねー最後まで!!!!

とにもかくにも。まじで宮沢りえが凄すぎる映画だった。
公開当初、映画館行こうか迷ってたんですが、行っておけば良かったです…。
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