※ネタバレ全開なので注意してください!!!※
これ、めっちゃ面白かった!!!!!
タイトル的にちょっとB級かな?と思ったんですけど、すごく良かった…通りすがりに見ただけなんだけど、自分の嗅覚グッジョブでした。
<あらすじ>エドガーは焦っていた。焦って心肺蘇生をしていた。というのも何故かわからんが妻メイロンを殺しちゃったっぽいのである。やばいよやばいよと心臓マッサージをしていると、自身も意識を失い、気が付くと妻と一緒に車に乗っていた。な、何を言ってるかわからねーと思うが、まあ要するにループ物なんだ。すごい諦めた感じのあらすじになっちゃったんだけどwwww
正確にいうとループものではないんだけどね。
でもこの冒頭最高だと思ったんですよ!!!!
いきなり殺っちゃってる!と思ったらなんか時間が戻ってる!!!ってなって、そうこうしているうちに謎の施設に迷い込んで…みたいな、主人公もポカーンだし我々もポカーンで、最高にわくわくする導入でした。
この話は要約すると、新解釈の地獄(比喩としての地獄ではなくて、地獄と呼ばれる世界の話ね)を描いた話でして、妻を殺したという罪を負った主人公エドガーは地獄的ポジションの厚生施設っぽいセッションルームで罪の告白をさせられ、妻を殺す現場を何度も何度も追体験させられるという罰を受けるんですね。
で、エドガーは地獄に来た時は結構記憶があいまいで、妻を殺したという意識はないんですよ。
偶発的な事故だと思ってる。
なので、追体験を繰り返す中で、このループから逃れようと色々画策するのですが、そうするうちになぜ妻と自分が死ぬ羽目になったのかというのがエドガーにも我々にも徐々にわかってくるという構成になってます。
エドガーくん、あんまり良い夫じゃなかったんだよね。
妻の連れ子ともそりが合わなくてもめてたり、妻の事好きすぎるから嫉妬に狂ってモラっぽい言動しちゃったり。
そりゃ妻も殺したくなっちゃうわ…。
で、妻が自分を殺そうとして毒を盛り、それに気が付いてもめるうちに妻をやっちゃって、毒が回って自分も死んだって事がわかります。
でも、これで自分が妻を殺さなかったら今度は妻が殺人の罪でこの部屋に来ちゃうと気が付くのですね。
なので、エドガーはこの部屋のループを繰り返している古株、ドリスの運命を請け負うことにします。
ドリスの罪は自殺。そのドリスの代わりにエドガーが自殺することで、ドリスは生存ルート、妻も生存ルート、エドガーは自殺の罪で再びループルート、という結末です。
最後、夫が自殺した場所に参りに来る妻にドリスが出会い(ドリスは70年程前の時代の人間なのでおばあちゃんになってる)妻と会話をするんですが、なぜ夫が自殺したのかわからない、と語る相手であるドリスだけが事の真相を知っている…というのがすごく良かったです。
賛否あったラストらしいですけど、私はかなり好きだった。
そして再びループに戻ったエドガーが、それまでのドリスと同じような不遜な態度をとり、みんなの輪からハミゴになるのも、この映画の最初に繋がるループになってて最高ってなりました。
興味深かったのは、カナダという欧米の映画なので「自殺」というモノが殺人と同等の罪と扱われるところですね。
自殺した人は、殺人した人からハミゴにされるんですが、それはそういった価値観があるからみたいです。日本だと逆のとらえ方だよね。
これは文化というか、宗教観の違いが色濃く出てる部分なので日本人の自分としては面白く感じましたよ。
映画全体の雰囲気も、そこはかとなく漂う不穏な感じが大変良かったです。
こういうのもっとちょうだい!
PR