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カラスと机。

日々のつれづれと、見たものの感想。

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怒り。


※すんごくネタバレですのでご注意!※

いやーーーーーー
すごいものを見てしまった。
すごかった。
すっごく、心の触られたら嫌なところに傷跡を付けられたような、一生忘れられないような映画でございました…。
めちゃくちゃ嫌な気持ちになるけど、すごく良い映画だったと思う。

<あらすじ>
八王子郊外で若い夫婦が自宅で惨殺され、犯人は逃走した。
1年後、房総、東京、沖縄に身元不明の3人の男がそれぞれ現れ、訝られながらも次第に周囲に受け入れられ、それなりの人間関係が作られていく。
ある日、警察が八王子事件の犯人の整形手術後のモンタージュ写真をテレビ番組で公表したのをきっかけに、それぞれの人間関係に揺らぎが生まれはじめる。

↑いつもどおりウィキコピです。
この映画はあれですね、外国人女性を殺害して3年近く逃亡して、大阪の南港で捕まった市橋の事件をモデルにしているんですね。
それが冒頭ですぐにわかるので、ぶっちゃけ犯人はすぐに森山未來って分かりました(笑)
しかし、ほんとによくできてるなーと思ったんですが、公開した写真や過去回想の後ろ姿とかが、綾野剛にも見えるし松山ケンイチにも見えるし森山未來にも見えるんですよ!!!
特に私、ヒトの顔が分からないんでめっちゃ混乱しました…。
犯人は森山未來以外ありえないのに、でも綾野剛にも見えるよぉ…んで怪しいよぉ…その女だれぇ…って
心の幼女がふぇぇってなってました。

受けた衝撃を、どう受け取ったらいいのか、どう考えたらいいのか、それがわからなくて感想がまとまらず、ずっと自分のなかでモニモニしています。
いわゆる「サイコパス系」のお話とも取れます。
八王子の事件の動機(っぽい回想)や、元同僚の証言なんかでそういう風に感じますが、最後、南の島の隠れ家で自供する場面で、ほんとにサイコパスだったのかな、と少し悩みました。
日雇い労働に従事し、日々虚無感を持って生きていた時にふと伸ばされる施しの手。
それを素直に受け取ることができなかった、の、か?
自信を見下されたと感じた故の「怒」の文字だった、のか?
でもゲスい一面もあるし、サイコパスみもあるし、もう本当の姿がさっぱりわからない。
そして、そんな彼を慕って信用していたタツヤの怒り故の暴走があまりにも哀れでした。
ここがこの作品で一番納得ができなかった部分です。
現実の市橋はしっかり法の手で裁かれたのに、なんでこの映画では前途ある少年が殺人という大罪を追って裁かなければならなかったのか。
それは傍観していた故の罰なのか…。
でもそんなん言ったら他に裁かなきゃいけない元凶の野郎どもがいるじゃないですか!!!!!
許せん、まじ許せん!!!!!!!!!

そうなんです
なんでこんな数週間も立ち直れないような衝撃を受けたかって…
例のあのシーン…広瀬すずちゃん演じる泉ちゃんが、駐在ファ○キン米軍にレ○プされてしまう、あの痛ましいシーン…。
もう、苦しくて苦しくて、あれほんと、すごい体当たりの演技…広瀬すずすごい、まじすごい。
あのシーンが強烈にトラウマすぎて、何日も何日もフラッシュバックを繰り返しておりました。
なんか、ニュースとかで全然そういう事実があるってことは知ってて、「気の毒に…」と心は痛めていたんですが、あんなにもまざまざと「婦女暴行なんて生ぬるい表現じゃなくて、サ・レ○プ
です!!!!!!!」って感じのシーンをぶつけられて、ずっと目をそらしてた部分をがっつり見ちゃった気持ちでした。
もうこれもほんと、なんて言ったらいいのかわからないし、どういう気持ちになったら正解なのかもわからない。
「誰にも言わないで…」となかったことにするのが正しかったのか。
体格も年齢も全然違う複数のプロの外国人に立ち向かえるわけもないのもわかるけどでも立ち向かうべきだったのか。
何も、何もわからない、だって考えたことない、そんなこと、自分に降りかかることなんてないってどこかで思ってる。
それを見せつけられて、私は呆然とするしかなくって、だから苦しかったです。

沖縄編だけでも十分にお腹いっぱいな感じなんですが、千葉では千葉で、ひとりの怪しい男が流れ着き、地元住民と少しづつ人間関係を築いていきます。
そんな渡辺謙の娘である宮崎あおいと怪しい男・松山ケンイチはうっかり恋に落ちちゃうんですね。
この宮崎あおいも最高に良かった!
ちょっとノータリンなエロい娘を完璧に演じてたと思います!
この映画は全体的に、「人を信じるとはどういうことか」的なことがテーマとして描かれていると思うんですけど、千葉編はより顕著だったと思います。
過去がよくわからない男を愛してしまった女。
話してくれた過去が本当なのかどうか、信じることができない。
そして、そんな娘を心のどこかでは信じきれていなかった父親。
警察の調べでシロだと確定したときの、宮崎あおいの慟哭がなんとも胸に刺さりました。
まあでも、3編の中で唯一のハピエンですからね、ほんと、この話だけでも救われて良かった…ヽ(;▽;)ノ
ひとつだけ解せぬと思ったのは、あんっだけ超仲良しな父娘なのに、なんで宮崎あおいは4ヶ月も家出して風俗嬢をやってたんだ、と。
そこがさっぱりわからなかったのでした。
もっとツンツンした娘で、松山ケンイチと恋に落ちたことで丸くなった、とかならわかりやすかったのに!

そして、色々な意味で衝撃的だった、東京編。
妻夫木って男はほんと…ほんとすげぇ!!
もう、完っ全にゲイにしか見えなかったよ!!!!!!
ほんとすげーよ!!!!!!
脱帽!!!!!!!!!
ハッテン場での荒々しいセ○クスからのフォーリンラブ、家族ぐるみでお付き合いし、(ブッキーのお母さん役もめっちゃ良かった)一緒にお墓入ろっか、って、ゲイ的に「結婚しよっか」レベルの話までしてた恋人が、殺人犯かも…とか
もう…かわいそうかよ・゜・(ノД`)・゜・
隠れて会ってた女の人誰…って問い詰めても「言いたくない」と言われ…目の前から消えられ…
そりゃ勘違いもしちゃうよ…言ってよ…そんなん…今更施設出身ですって言ったってブッキー引かないよ!!!!!
体のことも、ちゃんと話してくれれば…目を離したりしなかった
ひとりで逝かせることなんてしなかったよ、絶対…
全ての真実を知ったブッキーの慟哭にもまた、胸をえぐられ、膝から崩れ落ち、しばらく立ち上がれませんでした…。

この3編は一つも交わらないんですが、そんなバラバラな話をしっかりと見ごたえある感じでまとめあげてて監督の力量もすげーなって思いました。
とにかくもう、受け取ったものが重すぎて、まだまだ全然処理できてません。
綾野剛がすごいエロかったのは、美味しくいただきますね…。
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