※ネタバレしまーす※
こちらの映画、存在を知ったのは高校の時の友人と集まった時に映画の話になって、とある友人が勧めてくれた、というのがきっかけでした。
そこから長らく見る機会が無く、ずっと放置状態だったのですが、アマプラで見つけたので見てみたらとんでもない激エモ重映画だった、という感じですw
あの子がどういう意図をもって私に勧めてくれたのかはわからないですが、すごく今あの子と語り合いたいです…www
<あらすじ>
ゲイでショーパブで働くルディは、お隣さんの子供が障害児で、かつ親に育児放棄されているのを知り、自分と恋人のポールとで育てたいと決心する。
少年マルコとルディ、ポールの3人での生活は楽しく、愛に満ち溢れたものだった。
しかし当時のアメリカはゲイへの差別が酷く、そんな愛に溢れた家庭よりも、育児放棄をしている実母との生活の方が正しい、と世間や裁判所は判断を下してしまう…。
なんかホワイトリバーに続き、差別が取り上げられた映画なのでちょっとしんどいですね(笑)
結構重たい内容なので、心が元気な時に見た方が良い感じです。
日本で生きていても、ゲイの人はかなり生きづらい世の中だと思うのですが、いわんや40年前のアメリカをや、ですね。
It theENDの感想でもちょろっと触れましたが、昔のアメリカのゲイ差別ってほんとひどくて(今も改善されてるとは言い難いけども)ゲイってだけで殴り殺されたりするようなことがあったりするんですよね。
ルディは歌手を目指しているので、ショーパブで働いているし、世間の目はより一層冷たいものになります。
そして、恋人であるポールは超健全で真面目なお堅い仕事をしている関係上、ゲイバレが致命的になります。結局バレてクビになっちゃうのですが、そうやって地位や仕事を失っても「家族」を守ろうとがんばるポールの姿はとてもぐっときます。
裁判で争い、どれだけこちらでの生活がマルコにとって良いものかをアピールしても、結局ジャンキーで育児放棄の色狂いの母親が裁判に勝ち、マルコは母親に引き取られてしまいます。
母親には裏で取引が持ちかけられており、子供を引き取れば自由になれるから引き取るだけで、そんなのミエミエで誰が見ても明らかなのに、ルディ達は負けてしまうんです。
それは、ルディたちがゲイだから。
不健全なゲイとの生活よりも、実の母親と暮らすほうが健全だから。
ジャンキーで育児放棄で色狂いでも、母親には勝てない。
全世界のどんな有能な弁護士でも、母親には勝てない…。
この理不尽さが、本当に本当に苦しくて、見ててしんどかったです…。
そしてエンディング…。
歌手になったルディが語る後日譚は、最悪の幕引きとなってしまいます。
結局マルコはまた育児放棄され、施設に送られ、その施設から家に帰ろうと脱走する途中で死んでしまうんですよ…。
しかも衰弱死、的な…。
もう後味悪すぎでした…。
ただ、これは本当に色々考えさせられる名作であることは間違いないです。
一生に一度は見たい映画ですね。
しかもこの映画、公開時のエピがまた良いんですよね。
当時、日本でこの映画の内容が受け入れられないからって理由で、全国でたった1館でしか公開しなかったんですって。
それを、LILICOがテレビで「なぜこんな素晴らしい映画を規制するのか」って涙ながらに訴えて、公開映画館が140館ぐらいまで増えたそうで。
なんだかこれも、胸にぐっとくるエピソードだなーって思いました。
あと、ルディ役の方の色気が、もうそんじょそこらの女子とはけた違いの艶っぽさで、それも必見だと思いましたw
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