久々に新しい小説読めたので感想カキコ。
千早茜さん著「西洋菓子店プティ・フール」でございます。
この千早さんね!
私すごく好きで!!!
デビュー作の「魚神(いおがみ)」がもう、完全に私のツボでどストライクで性癖ど真ん中で、最高オブ最高で、好き過ぎて語彙力崩壊するんです。
魚神以外の作品も何作か読んでいて、恋愛ものはまあ私個人が好きじゃないってのもあるから置いとくとして、怪異モノ(「あやかし草子 みやこのおはなし」)とか、狂気がほんのり漂う短編集(「おとぎのかけら 新釈西洋童話集」)とかがとっても素敵でした。
そんな千早さんの2016年に単行本として発刊されていたプティフールがこの度文庫本になったので読んでみました。
<あらすじ>
パリでパティシエの修行をし、有名パティスリーで働いていた亜樹は、婚約を機にパティスリーを辞め、実家の洋菓子店をじいちゃんと二人で切り盛りしている。
お店を訪れる様々な人と、お菓子が紡ぐ物語。
↑なんか本の裏表紙に書かれてた事を要約して書いたつもり。
これだけみると、なんというか、すごく女の子らしい、キラキラしたティーンズ小説なのかなって感じですよねwww
昨今の女児のなりたい職業No.1はパティシエだと言いますし。
夢色パティシエールだのキラキラプリキュアアラモードだの
お菓子=かわいい=スイーツ(笑)みたいなイメージあると思うんですけど、え?あるよね?
でも、千早さんがそんな甘いティーンズ小説を書くわけ無いってわかりきってたので、わくわく買って読んでみたらほらやっぱり!!!!やっぱじゃん!!!!!やっぱ毒の味するじゃん!!!!!!!!
っていう、夢見る乙女にはあまり向いてない、ほろ苦ビターな味わいでございましたwww
で、誤解しないで欲しいんですけど、これすごく王道ストレートな恋愛小説なんです。
亜樹、亜樹の婚約者の祐介、亜樹の前の職場の同僚の純孝、純孝に片思いしている女の子ミナ
の、4角関係のお話で、それぞれがそれぞれを想う気持ちは純で密やかでいじらしい。
純孝くんのイケメン描写とか、亜樹ちゃんの良い歳して化粧もしてないのに魅力的でモテる、とか
「んぁ?(白目)」ってなるところは色々あるんですが、まあ良い恋愛小説なんじゃないんですか?
ただそれが、きれいな話のなかにそこはかとなく毒や苦味が含まれている感じがなんか…えもいわれぬクセになるんですよねwww
拒食症のマダムに関しては全開でやばい感じ(でも最後は綺麗にまとまってるけど)なんですけど、かわいくておしゃれな子であるミナちゃんがケーキを鷲掴みにして爪を喰い込ませて食べるのが好きとさらっと言ってるところとか
なんか底知れぬ不安感を感じるんですよねwwwww
前出の通り、私は恋愛小説が苦手なので、こういう「毒」の部分が無いきれいな小説だったら読めなかっただろうなと思いますww
さすが千早さん、ナイス毒。
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