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カラスと机。

日々のつれづれと、見たものの感想。

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十二国記(0) 魔性の子。



さてさてさて
ずーーーーっとあっためて、最後のおたのしみに取っておいた、魔性の子。
一応、十二国記始める前に読む順番を調べたりしてたんですが、結論から言うと
絶対にこれは、初っ端に読むべきであった
です。
つらい。すごくつらい。
知らないでいれたなら…と、読みながら何度も何度も思ってしまいました…。
こうならないように調べたはずなんだけどな…おかしいな…涙が止まらないよ…。
<あらすじ>
教育実習をしに母校へ戻った広瀬は、一人の変わった少年が気になった。
その少年・高里は、かつて神隠しにあったというのである。
神隠しにあった時になにかに憑依されているようで、高里に関わったら「祟られる」という噂が飛び交っている。
広瀬はとある経験から、高里は自分と同じタイプの人間だと確信し、近づくのだが…。

要するに、この魔性の子は、黄昏の岸暁の天の裏側、「蓬来に戻っちゃった泰麒がどう過ごしていたか」を「蓬来(日本)の人からの視点」で書いた物語なんですね。
そういう意味では、黄昏の岸読了後に読むのが一番わかりやすいし、全ての辻褄が合ってるし、良いんですけども。
現代日本にいるみんなは十二国のことを知らないし、麒麟とか妖魔とかも知らないから泰麒(高里)を守るために使い魔たちが牙をむくのがわからず「祟り」と認識してしまうという話の構造は、読む手側もまっさらな状態じゃないと当然共感できず、ただただもどかしくて苦しいだけでした…。
蔑まれる泰麒がかわいそうでかわいそうで…。
「麒麟なんだからしょうがないじゃん!!!」ってわたしは思っちゃうけど、みんなはそれを知らないからどんどん事態が悪い方向に傾いていくんですよ…当たり前なんですけど…。


そして、広瀬と最後袂を分かつ時も、「うん、まあ、そうだよね、泰麒は麒麟だもん」ってなるからなんの衝動も生れず。延王に連れ帰られる時も、「よかったよかった」以上の感動(?)も生れず…。
これ、もし十二国記を全く知らない状態で読んでたとしたら、めっちゃ心かき乱されたと思うんですよね。
なぜ高里はこんな超ド級の背後霊が憑いているのだろうか、とか
だんだん被害が拡大してるのはなんでなのか、とか
ちょいちょい現れる、探し物してる少女の霊的なものはなんなのか、とか
神隠しの間どこに行っていたのか、異界の記憶ってなんなのか、とか
最後の大嵐後、高里はどこへ消えたのか、とか
つかどんな投げっぱなしのラストだよ!!!!!!とか
疑問で多分、腹が立つと思います。
それぐらい、不親切な小説だったと思う。
でもその不親切感を味わいたかった…。
自分がその後十二国記を回収しようってなるかはわかんないですけど、とにかくその理不尽さを体験してから十二国の事を知っていったほうが強烈なアハ体験になったことは間違いないです。
全部全部分っちゃってるからホラー感も全くなかったし。

これはまじでもったいないことしたな…。
できれば記憶を消してもう一回読みたいって思いました…。

億が一、まだ何一つ十二国記読まずにこれを読んでる人がいたら、絶対に魔性の子から読むのをすすめます、まじで。
記憶がない状態は、人生で一度だけ!!!!!!

いや~しかし長かったですね~~~~十二国記全制覇。
完走して、非常に感慨深いです。
新刊も無事ゲットしたので、この魔性の子の続き、楽しんできま~~~す♪
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