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カラスと机。

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十二記(4) 風の万里 黎明の空 上・下


※全開でネタバレします!!!!!!!!※

もう、もう、めっちゃ面白かった!!!!!!!!!!!
最高だった!!!!!!!!!!!!!
胸のすく様な物語とはまさにこういう物語を言うんですよ!!!!
すごい、ほんとすごい
小野不由美まじすごい

この十二国記って、本筋のお話と外伝が入り混じっているんですが、このお話は1作目の月の影 影の海から繋がる、十二国記本筋ストーリーになるわけです。
もちろん主人公は陽子。
待ってた!!!!!!!!
あれからどうなったんだろうって気になってたんだけどまた会えて良かった…と読み進んでいくと、どうやらお悩みの様子。
そりゃそうですよ。
蓬莱では一国一城のあるじだった延王・尚隆とは違い、ついこないだまで一介の女子高生だった普通の女の子ですよ。
まつりごとなんか何一つわからないし、なんならこの世界の事だってまだまだ全然知らないっていう状況なのに、偉い人たちが寄ってたかって王としての采配を求めてくる。
んでわからないというと嫌味な溜息をつかれる、と…。
そんな超病む状況で、本来なら強い味方であるはずの景麒すら溜息をつきっぱなし。
ほとほとやんなっちゃった陽子は、自分の不出来を少しでもなんとかしたい、とまつりごとと世界を勉強しに市井に降りることにします。
景麒はそんな陽子を見て、これまでの女王とは違う、と感じてくれます。

陽子は真面目な頑張り屋さんですね。
でも、日本にいた時から人間関係を築くのがうまくなかった。
誰かの言う事を大人しく聞いて、それなりに生きていた。
本人のポテンシャルは高いのに、周りに押さえられていたせいで、自分というものがよくわからなくなっている。
そして、それを何とかしたいと思っている。
これがとても大きくて、陽子の素晴らしいところですよね…。

この話にはあと二人主人公がいます。
一人は、才の国で暮らす、海客の鈴。
もう一人は、芳の国の公主(お姫様)の祥瓊。
この二人は、最初ものすごいヤキモキしますwwww
鈴は陽子とは違い、ごく一般的な海客なのでこちらの世界の言葉が全くわかりません。
言葉がわからないため、まともな仕事にも付けず、流浪の民になっていたのですが、偶然飛仙・梨耀に出会い、仙籍に入れば言葉がわかると知って、頼み込んで仙籍に入れてもらいます。
そんな負い目があるので、鈴は梨耀にへいこらするしかありません。
地獄を抜けたと思っていたらそこもまた地獄だったのです。
祥瓊は一国のお姫様として生を受け、生まれてからずっと遊んで暮らしていました。
父も母も国のことには関わらなくて良いと祥瓊を甘やかし、その生活になんの疑問も持たずに過ごしました。自国が傾いていることも、知らずに過ごしました。
そうして、ある日国は滅び、お姫様では無くなり、貧しい村の孤児として生きていくこととなったのです。
鈴も祥瓊も、確かにすごくかわいそうなんです。
特に海客の鈴は、まず言葉がわからないっていうハードルが非常に高い。
祥瓊も、生まれてからずっと真綿にくるまれて育ってきたのだから、そりゃ知らないことが多くても当然だよな、とは思います。
前半は、二人とも過酷な目にあう自分を憐れみ、誰かが助けてくれるのを待つ姿勢です。
何の努力もせず、他人を憎み、自分だけが世界で一番不幸なのだと思っています。
そんな二人が、鈴は同じ海客同士、傷をなめあえるのではと希望を抱き、祥瓊は同じ年頃の娘が王宮で贅沢に暮らしてるなんてありえない!!!!と憎悪を募らせ、景王(陽子)に会おうと旅立つところから、大きく物語は動いていきます。
鈴は旅の途中で出会う清秀という男の子に、自身の甘え的な部分をすべて見透かされてしまいます。
最初は腹を立て、拒絶していた鈴ですが、なつっこい清秀にほだされ、仲良くなっていきます。
妖魔に襲われた傷が元でどんどん弱っていく清秀を励ましながら慶の首都を目指していましたが、途中立ち寄った街で清秀が車に引き殺されてしまいます。
生まれて初めて、他人の為に心が潰れる程の涙を流した鈴の中で何かが変わり、その犯人を討つレジスタンスの一員に加わります。
祥瓊は寒村で私刑で殺されかけたところを辛くも助けられ、恭国に国外追放され、恭国の宮中の下女になるものの屈辱に耐えられず出奔。
あえなく捕まり、色々あって放免されるも無一文になった祥瓊を助けてくれたのは楽俊でした。
楽俊!!!!!!おまえ!!!!!!どんだけ良いネズミさんなんだよ!!!!!!すき!!!!!!
楽俊は祥瓊に、王や王族が果たすべき責務を説き、祥瓊がそれを怠っていたという事を気づかせてくれます。
楽俊お前ほんま良いねずみ。
そうして、祥瓊の中でも何かが変わり、かつての自国のような残虐な刑罰が行われていることに対して、変えなければいけないと感じ、圧政を敷いている呀峰討伐の為、レジスタンスの一員に加わります。
陽子も陽子で、留学先の家が何者かに襲われ、仲良くしていた少女を無残に殺されてしまい、教えを乞うていた教師の遠甫を攫われてしまう。
その攫ったやつらを探しているうちに、和州の乱に巻き込まれていく。

いやね、このね、全然違う場所でそれぞれの思いを抱いていた子達の線が、和州という点で交わる邂逅がたまらん良かったです!!!!!!!!
もう!!!好き!!!!!そういう話!!!!!!!
最初、全く逆の思いを抱いていた鈴と祥瓊が偶然会い、話すうちにお互い似たもの同士なのがわかって、景王を憎む方向に考えが変わっていた鈴を祥瓊が正すのとか、めっちゃよかったです…!!!!!
甘ちゃんな二人やったけど、成長したんやね…よかったね…才王も喜んどるよ鈴…。
余談ですが私恭王の珠晶がめっちゃ好きなんですけど!!!!!!!!
くっそ甘ったれな祥瓊が大嫌いと公言し、自身にひれ伏せさせた、めちゃくちゃかっこいいロリ女王にもう…惚れたね!
その理由が祥瓊を許すことは真面目に生きている民の生き方を否定することになるから、っていう超ド正論なのがたまらなくかっこよかった…!!!
慈悲の生き物である麒麟が許しておやりよ、と進言するや否や屈ませて横っ面ひっぱたくあたり…もう…我々の業界ではご褒美です!!!!ありがとうございます!!!!!!
なーんか、Fate/staynightの凛と士郎(アーチャー)みたいやなって思いながら読んでましたwwww
こんなキャラの濃い王様、絶対独立したお話があるよね!!!!!
楽しみにしとこうwwww

そして、何よりも良かったのが、和州の乱のラスト!!!!!!!!!
もう最高だった!!!!!!!!
王の直属軍である禁軍を勝手に動かしてけん制をかけてきた靖共にブチ切れた陽子は景麒を呼び出し、その背に乗って禁軍の前に立ちはだかる。
そして、王様なめんな!!!!!とブチ切れ、黒幕たちを撮っ捕まえてくるように命令するこのシーンが最高にカタルシスでスカッとしました!!!!!
今まで周りの顔色ばっかり窺ってた陽子の、この堂々とした王様っぷりよ…!!と
なんか泣けちゃいます。
騎獣扱いするなんて…とブツブツ言ってる景麒が小声で、子供が助かった事伝えてきたのも、なんか良かったです。景麒らしいwwwww

鈴と祥瓊を側近に迎え入れるのもすごくすごく良かったし、そうなって欲しいって思ってたから本当によかった。
朝廷でひとりぼっちだった陽子に、ようやく信頼できる仲間ができて本当にうれしい。
そして、それが陽子自身が変わりたいって思って行動した結果なのが、本当に誇らしいです…私は何様だよって感じですがwwww
なんかもう、親目線だわwwww

そして、最後、きらびやかな衣装ではなく官服で、部下に直接、初勅を下す陽子に感無量でした…。
それが君が導き出した答えなんだね…。
きっと、きっと慶は良い国になる。
そう確信できる、最高のラストでした。

あーーーーー感想書いてるうちにもう一回読みたくなってきちゃったwwwww
慶国の続きの話ももっと読みたい!!!!!!!!

次…次を読むぞ…!!!!
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